わさびは一年中収穫することができますが、その裏には季節とうまく付合うわさびのちからが隠されています。いつもとは違った視点から、季節とわさびのつながりについて、わさび栽培17代目の白鳥義彦さんにお話を伺いました。
 
 わさびは季節に関係なく一年中収穫することができます。ただし、花が咲くのは2月下旬から4月にかけて。冬の光から春に変わるとき、眠りから目覚めたように花茎が伸びて花を咲かせます。わさびの花の旬はまさに今。花の天ぷらを食べることができるのも今だけです。
 
 わさびは清流でないと育たないと言われていますが、本当のところは「温度の一定したきれいな湧き水」が正解。 日照条件、気温、水温など、わさびは大変環境を選ぶ作物です。特に水温に関しては、年間を通 して15℃前後の水温が要求されます。 人間が服を着るように、わさびは、夏は冷たく冬は暖かく感じるきれいな湧き水に包まれて育ちます。
 
 わさびは夏の強い日差しに弱く、反対に冬は暖かい光を必要とします。それをうまくカバーするために、有東木わさび田のそばには”はんの木”という落葉樹が植えてあります。春の花畑だけでなく、紅葉とわさび田のコントラストも絶景です。 あまり季節が成長に関係しないわさびですが、わさび自身はわたしたち人間と同じように、季節の移り変わりをしっかりと楽しんでいるようです。
 
 わさびが持つちからは、それ自身が季節とうまく付合っているだけでなく、人々にも大きな効果 を与えてくれます。防腐作用、抗がん作用、血栓防止作用、強力殺菌作用、骨増強作用、下痢止め作用、抗虫作用、食欲増進作用。ビタミンCも豊富で、とにかくものすごい効果 です。 これらの効果を得るには、わさび漬けなら毎日20グラムぐらい食べればよいそうです。
 
 1株のわさびのには、通 常、苗が2〜3本、わさび(根)、茎、花、わさびの毛がついています。苗以外はすべて食用として売られています。 普段わたしたちが食べているチューブわさびや粉わさびには主に毛の部分とホースラディッシュ(西洋わさび)が入っていて、「おろし本わさび」と名のつくものには本わさびが多めに入っています。辛みを望むなら「チューブわさび」、ほどよい香りと辛み、旨みを楽しむなら「本わさび 」が良いでしょう。  
 
 とれたてのわさびの香りは格別。一般には手に入れることのできない有東木わさびの食べ方は、、、 定番のお刺身、おそば、とろろご飯、わさび茶、炊き込みわさびご飯など、「わさびの門前」ではいろんな食べ方をレシピ付きでご紹介。今が旬のわさびの花もここで手に入れることができます。そのほか、「わさび漬け」「わさびのり」「茎のこんぶ漬け」など、 ここしか手に入らない、本場のわさびを味わうことができます。
>>わさびの門前HP
 一年を通して光の強さや水温が同じでも、四季をうまく乗り越えなければおいしいわさびはできないでしょう。 この小さなわさびから、自然のあらゆるところに天気がつながっているということを教えられた気がします。
 
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